大相撲初場所は、戦前の優勝候補にほとんど顔を出していなかった前頭筆頭の玉鷲関が見事に13勝2敗の好成績で初優勝を遂げましたね。
多くのファンが玉鷲関の人柄の良さを知っていて、NHKテレビの大相撲中継で金星を挙げた際に、インタビューで見せてくれるあの何とも言えない笑顔が素敵でした。
今回の優勝は今までの長い間の苦労が実った素晴らしい結果だと思います。
ますます大相撲ファンで玉鷲関のファンも増えていくものと確信しています。
そこでここからは、その大相撲で新しい「しこ名」になって心機一転今後の活躍が期待されている力士をご紹介したいと思います。
貴ノ富士はどんな力士?
おそらく大相撲ファンでしたらこの力士は誰なのか、すぐお分かりだと思いますが、ここで改めてご紹介しましょう。
その力士は、貴公俊(たかよしとし)改め貴ノ富士(たかのふじ)です。
元横綱で昨年相撲界から惜しまれながら去っていった、あの貴乃花親方の弟子でしたが、貴乃花部屋が消滅してしまったため千賀ノ浦部屋に所属替えをしました。
貴ノ富士の経歴と成績は?
貴ノ富士 三造(たかのふぃじ さんぞう)は1997年(平成9年)5月13日生まれで、出身は栃木県小山市です。
本名は上山 剛(かみやま つよし)で身長は185cm、体重は143kgです。
それでは以前のしこ名であった貴公俊としての時代を主に振り返ってみたいと思います。
これが貴公俊としての成績
貴公俊は2013年(平成25年)3月場所で前相撲から相撲界に入りました。
翌5月場所では西序の口13枚目で5勝2敗で勝ち越しました。
以来、序二段→三段目→幕下へと6年間相撲を取り続けてきました。
ここまでの通算成績は、通算36場所に出場して141勝99敗13休の成績でここまでの勝率は0.557でした。
十両での成績ですが、1場所に出場して3勝6敗6休という成績でした。
2018年5月場所では付き人である弟弟子に対する暴力事件が発覚し、出場停止処分を受けたこともあり、それが一因となって、貴乃花親方が辞任する結果になってしまいました。
残念な出来事としか言えないことですが、あれだけ相撲界で暴力排除を叫ばれていたことなのに、なぜこのようなことが起きてしまったのか、猛省を促したいと思っています。
どんな事情があったかわかりませんが、人を傷つける行為は絶対あってはならないことで、まだ若いということで許されるものではありません。
一人の人間であり、もう大人になっているわけですから、思慮分別をわきまえることが、人としての基本だと思います。
貴ノ富士にはハーフで双子の弟がいる?
大相撲では地方での巡業が行われていますが、主にその地方場所で大相撲ファンの楽しみである「しょっきり」をご存じのことと思います。
その「しょっきり」を二人で演じているのが、双子である貴ノ富士と貴源治です。
大相撲では反則とされている髷(まげ)をつかんだり、禁じ手であるパンチを繰り出す、挙げ句の果てには、口に含んだ水を吹き掛けることで、見ている観客の笑いを誘うというものです。
大相撲ファンの中には、この「しょっきり」が見たくて地方巡業に見に行く人もいるそうです。

息の合う双子だからできるのか?
これは端から見ていると簡単そうに見えるのですが、いざやってみるとタイミングを会わせることが難しいとのことです。
双子の兄弟だからこそ息の合った「しょっきり」で笑わせることができるということを、以前何かの放送で聞いたことがありました。
きっと弟の貴源治関も貴公俊関が謹慎処分を受けてしまったことに対して、悲しい思いをしていたのではないかと察しています。
しかもその事件がきっかけとなったためかどうかわかりませんが、元横綱貴乃花親方がそれまで勤めていた大相撲役員を降格され、最終的には日本相撲協会から離脱をし、貴乃花部屋も解散せざるを得なくなってしまいました。
あれよあれよという間のできごとでしたから、あまりの急な展開にただ驚くばかりでした。
こんなにも早く相撲部屋がなくなってしまうことに衝撃すら覚えたことは、記憶に新しいところですね。
そしてそれまで一緒に頑張っていた仲間の力士と共に、千賀ノ浦部屋に所属替えになりました。
今まで顔を知っている程度の違う部屋の力士たちと今度は同部屋になって一緒に稽古をする、これは環境の面や精神的、肉体的にも大変だと思います。
しかしうれしいことが起きました。
千賀ノ浦部屋に変わったすぐ後の11月に行われた九州場所に於いて、兄弟子の小結貴景勝関が見事に初優勝を遂げたことです。
素晴らしい出足と力強い押し相撲が、若い貴景勝の持ち味ですが、それが如何なく発揮されて見事に優勝という栄冠を獲得しましたね。
同部屋でありそれまで一緒に稽古に励んできた兄弟子が優勝したわけですから、恐らく貴ノ富士関も歓喜に沸いたものと思われます。
稽古を積んで新入幕を!
どんなに苦しくなった時でも、共に励ましあえる兄弟弟子の存在は、欠かせない大切なものであると思います。
これからまだ先が長い大相撲人生に向かって、貴ノ富士関の活躍を大いに期待したいと思っています。
あの有名なNHKテレビ大相撲解説者の北の富士さんも、同じ富士というしこ名が付いたことで、貴ノ富士関を応援しているとのことです。
これからはどんなにつらく苦しいことがあっても、決してくじけることなく、頑張ってほしいと念願しています。
2019年1月場所では東幕下3枚目で5勝2敗の好成績を挙げましたが、来場所の新十両昇進を確実にしましたね。
そして来場所は十両に再度昇進しますので、そこでも大いに力を出して、さらなる努力で新入幕をぜひ期待したいと思います。
今、大相撲は若い力のある力士たちが活躍をして、多くの相撲ファンを沸かせています。
その若い力士たちに続く世代として、貴ノ富士関にも期待するファンが大勢いることも事実です。
それには何はともあれ真剣な稽古しかないと思っています。
強い力士はやはりけいこ量も半端ではありませんから、とにかくどんどん自分から積極的に稽古をするしかないと思います。
頑張れ貴ノ富士! 目指せ新入幕を!
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