大相撲9月場所は前半戦を終えて、いよいよ後半戦に向けて混戦状況が続いています。
今場所は白鵬と鶴竜の2横綱が初日から休場、寂しい場所となりましたが、大関以下平幕の力士たちにとっては、優勝を狙える場所になっているようですね。
そんな中でも最近この力士が注目を浴びています。
その名は「翔猿(とびざる)」です。
お相撲さんではちょっと珍しい四股名で、最初は何と読むのかが分かりませんでした。
ここからは現在好調な成績を挙げている翔猿に焦点を当てて、どんな力士なのか見ていきたいと思います。
大相撲ファンの皆さん、そうでない人もしばらくの間お付き合いいただければ幸いです。
翔猿はイケメンな力士だが彼女はいるの?

最初に翔猿のプロフィールと経歴を見ていきたいと思います。
翔猿 正也(とびざる まさや)は、1992年(平成4年)4月24日生まれで28歳です。
本名ですが、岩崎 正也といいます。
東京都江戸川区の出身で、身長は174㎝、体重は120kg、現役の大相撲力士で所属部屋は、時津風一門の追手風部屋で、2020年9月場所現在の地位は、東前頭14枚目です。
血液型はA型です。
お兄さんの影響を受けて、江戸川市立上一色小学校1年生の時から相撲をしています。
その兄ですが、木瀬部屋に所属している「英乃海」で、現在は東十両三枚目で現役力士として頑張っています。

尚、兄弟で関取というのは、史上18組目となるそうです。
お兄さんが通っていた地元の「小松竜道場」という相撲道場に、ついて行ったのがきっかけだそうです。
最初の頃は相撲以外にサッカーや水泳、野球をしていましたが、葛飾区立大道中学校に進み、相撲一筋に決めたとのことです。
中学3年生の時、全国中学校相撲選手権大会に出場し、団体優勝をしたことで相撲の団体戦の楽しさに目覚めます。
そして高校は多くの力士を生んだ埼玉栄高校に進学していますが、高校生の同期には北勝富士がいます。
今、活躍中の力士ですね。
埼玉栄高校では2年生の時、全国高等学校総合体育大会相撲競技大会では、見事に団体優勝を成し遂げています。
高校を卒業後、日本大学経済学部経済学科に進学、相撲部に所属しました。
最初は保育士になるつもりだったそうですが、あきらめて相撲一本で行くことを決心しています。
日本大学1年生の時、東日本学生相撲新人選手権大会で、現在の大奄美(本名:坂本元規)と決勝戦で当たりましたが、惜しくも負けてしまいました。
同年の東日本学生相撲個人体重別選手権大会では、100kg未満級で出場し初のタイトルを獲得しています。
2年生になり全日本相撲選手権大会では、ベスト16入りを果たすなどで、実績を積んでいます。
3年生の時にはレギュラーに入り、東日本学生相撲選手権大会では団体優勝を飾る活躍を見せています。
しかしその際、右足首を骨折するアクシデントに見舞われ、1年間は相撲が取れなくなってしまいました。
そして大学生活最後の4年生の時、復帰して相撲部の副将に抜擢されましたが、けがの影響からか満足のいく成績を残せませんでした。
その結果、大相撲界に入ることを決めました。

当時すでにお兄さんが木瀬部屋に所属していましたが、兄と同じ部屋では甘えが出てしまうとの考えから、あえて違う追手風部屋に入門しました。
この追手風部屋には、人気力士の遠藤が所属しています。

初土俵は2015年(平成27年)1月場所でした。
その後は順調に勝ち続け、4場所連続で6勝1敗の好成績を挙げています。
2016年11月場所では、関取間近の東幕下3枚目まで上がりましたが、2勝1敗から何と4連敗を喫してしまい、自身初の負け越しとなってしまいました。
悔しかったことと思いますね。
2017年5月場所では、西幕下2枚目の位置で6勝1敗の好成績を残し、場所後の番付編成会議で7月場所での新十両昇進が決まりました。
尚、申し遅れましたが最初の頃のしこ名は、本名である「岩崎」を名乗っていましたが、十両への昇進を機に、自分が申年生まれであることから「翔猿(とびざる)」のしこ名に替えています。
猿のように動きが早いことから、付けたそうです。
自身もこう語っています。

「他の力士がまねできないくらい速い相撲を取りたい」と熱く語っていました。
新十両の場所となった西十両14枚目では、硬くなってしまい6勝9敗で負け越してしまいました。
9月場所では再び東幕下2枚目に下がってしまいましたが、5勝2敗の好成績を残しています。
これによりすぐに次の場所で再度十両に上がれると期待しましたが、残念ながら昇進できませんでした。
11月場所でも3勝4敗と負け越したため2018年1月場所では、西幕下3枚目で初日を迎えています。
4勝3敗でからくも勝ち越したため、十両から陥落者が多かったことにより、3月場所で十両への復帰が決まりました。
次の2場所は7勝8敗と負け越してしまいましたが、番付運に恵まれわずかに半枚しか番付が落ちませんでした。
これは実に幸運だったと思います。
7月場所では十両4場所目で、9勝6敗の勝ち越しを決めています。
2020年9月場所では新入幕を果たしました。
なお、11代目の追手風部屋としては、剣翔以来1年ぶり10人目の幕内力士の誕生となりました。
学生相撲出身者では100人目の幕内力士となっています。

その新入幕の記者会見では、オンラインではありましたが「楽しい相撲を見せたい。相手を翻弄して速い相撲や、トリッキーな相撲を見せたいです」と、嬉しそうに語っています。
そして先程もお伝えした通り2020年9月場所では、7日目を終えた時点で6勝1敗の好成績を挙げています。
NHK大相撲解説でおなじみの「北の富士勝昭」さんも、翔猿関には注目をしていると語っています。
今場所は混戦が続き、千秋楽まで恐らく混戦が続くものとみられていますので、翔猿にも優勝の望みがありますね。
大いに期待したいと思っています。
以上、ここまでは翔猿のプロフィール及び経歴をお伝えしました。
楽しみな力士が出てきましたね。
翔猿の相撲の取り口は?
ここからは相撲の取り口を見てみましょう。
翔猿の取り口ですが、本来は突き押しが得意です。
そして思い切り強く当たった後で、動いて相手力士を翻弄します。

土俵の丸をうまく利用して動いた後、引き技を使って仕留めることが多い力士です。
しかし引き技は相手が良く見ている時は、まともに押し出されてしまう欠点があります。
何度かそういう場面もありました。
まともに引いてしまうことは、自ら墓穴を掘ってしまいます。
得意技では「けたぐり」と「蹴返し」があります。
この技も相手の意表を突くことで決まる技ですが、見られてしまうと、反対に自分の体勢が崩れてしまいますので、多くは使えませんね。
やはり今後は突き押しに重点を置いていくと同時に、より体重を増やす努力が必要であると思います。
相手により強く「圧をかけていく」ことですね。
十両時代からこれを繰り返してきたことによって、新入幕を迎えられたことになりますから、今後はこの基本を繰り返して実戦することが、大切ではないでしょうか。
翔猿に平幕優勝はあるのか?
最後になりますが、9月場所で翔猿の平幕優勝はあるのでしょうか。
まだ前半戦を終えたばかりですので、予想するのは早いと思いますが、両横綱が不在であり、大関陣もそれほど成績が上がっていませんので、大いにチャンスはあると思っています。
恐らく今後は成績次第では上位陣と当たる機会が増えてくると予想できますが、先場所は幕尻だった照ノ富士が見事に優勝を飾っています。
最近は下位の力士の優勝が度々起きていますので、決して夢ではありません。

目の前の一日一番をしっかりと取っていくことで、最終的に優勝が近づいてきますから、最後まであきらめず付いていってほしいと思います。
幕内で優勝できることは、力士の中ではごく一部の力士しか出来ません。
しかしもし優勝できれば、末永くその力士は讃えられることになります。
今場所は特に優勝した場合、内閣総理大臣杯を菅義偉首相が自ら贈るのではないか、と予想されています。
令和2年9月場所で優勝することは、恐らく記念すべき場所になるものと思います。
そんな意味からもぜひ翔猿関には、活躍をしてほしいと願っています。
新型コロナウイルスの感染でまだ国技館では満員になることはできませんが、テレビで多くの相撲ファンが応援しています。
さあ、皆さんで応援しようではありませんか。
ガンバレ、翔猿! 初優勝目指して最後まで粘り強く戦ってくれ!
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