2019年(平成31年)の初場所がいよいよ今日1月13日(日)から始まり、初日から熱闘が繰り広げられていますね。
今場所の最大の見どころというと、横綱陣がどれほど復活するのか、特に気がかりなのは稀勢の里関の成績はどうなるのか?ということだと思います。
先場所まで休場が続き横綱審議委員会からも、今場所の成績如何では引退勧告も辞さないくらいの厳しい達しが来ているようですね。
それ以外の力士では前場所の九州場所に於いて、見事に初優勝を成し遂げた新関脇の貴景勝関が、この初場所ではどんな活躍をするかにも熱い視線を送られるものと思います。
成績次第ではありますが上の大関を狙えるという話も出ていますので、期待をして見ていきたいところですね。
それと3人の大関陣が果たしてこの初場所ではどんな活躍ができるか、誰が最初に上に昇進できるか、についても期待値は大きいと思います。
そんな各力士たちの活躍が期待されていますが、一方では新入幕を果たした力士が今注目を集めています。
矢後関の経歴、中学、高校は?
その力士のしこ名は「矢後」関で、あの元琴風の尾車親方が率いる尾車部屋の関取です。
今日、初日には明生関と取り組みましたが、立ち合い鋭く当たって強い攻めで左上手まわしをしっかりとり、寄り倒しで見事に新入幕初勝利を挙げたのです。
取組後にはNHKテレビ大相撲解説者の北の富士勝昭さんからも、とてもいい相撲内容だったことと、これから強くなりそうな力士である、とお褒めの言葉をもらっていました。
直後にはインタビュールームに案内されて今場所初のインタビューを受けていましたが、「今場所はとにかく多く勝って勝ち越しを目指したいです」と、はっきりと答えていたのが印象的でしたね。
又、北の富士さんはいずれはあの親方のしこ名である「琴風」を引き継いでもおかしくないほどの力士、ということも言っていました。
それだけ強く立派な関取を目指してほしいという期待の大きさではないでしょうか。
今場所からしこ名を変えてくるかも?とのことも言っていましたので、そう遠くないうちに、しこ名を変える日も来るのではないかと期待しています。
親方にしてもけいこを十分して本場所でも決してひるむことなく、相手力士に正々堂々戦ってほしい、との願いが強いと思います。
久しぶりにいい力士が幕内に上がってきたことに、一相撲ファンである私もぜひ「矢後関」を応援したいと思います。
それではその矢後関の生い立ちと経歴についてここからお伝えしたいと思います。

矢後関の本名は、矢後 太規(やご たかのり)で1994年(平成6年)7月8日生まれで24歳、北海道河西郡芽室町の出身です。
身長は187cm、体重は176kgという力士としては大型の部類に入る力士です。
血液型はA型で現在の地位は東前頭13枚目で、初場所が新入幕となりました。
3人兄弟の2番目で兄と妹がいるそうですが、生まれた時の体重が3000グラムほどで1歳時には10kgを超えたとのことです。
幼稚園時には水泳をやっていたそうで柔道もやっていたスポーツが好きな子供だったそうです。
相撲と出会ったのは小学5年生からで地元十勝相撲道場というところで相撲を習い、当時大乃国杯が催されて出場したこともあったそうです。
そして小学校を卒業するころには、身長が何と180cm、体重は120kgを超えるほど大きな体に成長、周りの人たちを驚かせたとのことです。
芽室西中学校時代には左ひざ前十字靱帯断裂と半月板損傷と右ひざ前十字靱帯損傷の大けがを負ってしまいました。
その後高校へはあの大関豪栄道関と同じ「埼玉栄高校」に入学をしました。
さっそく相撲部に所属しましたが、山田道紀監督は「文句を言わずあきらめず、痛めていた両ひざのリハビリを懸命に続けていた、とてもまじめな性格の生徒でした」と話をされていたそうです。
そして練習の甲斐があって岐阜で行われた国体では団体優勝に貢献しました。
大学は中央大学法学部法律学科に入学をし、相撲部に所属、主将を務めた4年次には「全国学生相撲選手権大会で個人優勝の栄冠を獲得し、あわせてアマチュア横綱のタイトルを獲得しました。
中央大学からは1990年以来26年ぶりのアマチュア横綱が誕生しましたが、あわせて北海道出身者としてはなんと52年ぶりのことだそうです。
両ひざの大けがから懸命なリハビリを必死に繰り返して、ついに学生相撲の頂点に達したわけですから、その努力には頭が下がる思いですね。
きっと周りの部員の人たちや監督さんも、矢後さんを応援しながらみんなで元気を与え続けたことだろうと思います。
ひざは力士にとっては一番大事な場所でありますし、過去に於いては強かった力士たちがひざのけがでやむなく引退をせざるを得なくなった関取たちも、結構いましたので、これからも十分注意をしてほしいと思います。
大相撲の世界へ
2017年(平成29年)2月7日に元琴風の尾車親方が率いる尾車部屋へ入門し、大相撲の世界に飛び込みました。
他の部屋からも勧誘をされたそうですが、おグルも館の論理的な指導と自分と同じく中央大学出身の豪風関が所属していることから決めたそうで、豪風関も記者会見の場に同席してくれたとのことですが、人柄がよく出ていますね。
初土俵は5月場所からだったということです。
やはりけがをした両膝を心配してひと場所遅らせたそうですが、新入門を果たしたとはいえ、なかなか大変だなと思いました。
幕下付け出しの初場所の成績は5勝2敗で勝ち越しをして幸先の良いスタートとなりましたね。
2場所目は東幕下11枚目で初日から勝ち続けて7連勝、見事に幕下優勝を遂げたのです。
早くも9月場所で新十両昇進が確定しましたが、所要2場所目での昇進は最速の記録ということですから、早くもその素晴らしい素質が花開いた感じです。
矢後関は学生相撲出身?
ここで少しだけ前に戻って矢後関の学生相撲の時代を振り返ってみたいと思います。
先ほどもご紹介しましたが大学は中央大学で相撲部に所属していましたが、アマチュア横綱になることができましたね。
矢後関はアマチュア横綱だった?
このアマチュア横綱ですが、歴代のアマチュア横綱と呼ばれた人は一番古い人では、1952年(昭和27年)に福岡県出身の影山信雄という人が初代のアマチュア横綱となったそうです。
以来毎年アマチュア横綱が誕生しています。
中には現在も大相撲の世界で活躍されている力士も含まれていて、2002年(平成14年に当時日体大3年生だった嘉風関、近いところでは2012年(平成24年)に当時日大4年生だった遠藤関がそれぞれアマチュア横綱になっていますね。
やはり見ていますと、大学の在学生がたくさんアマチュア横綱になっているようで、いかに相撲部の活躍が大きいかが分かるような気がします。
ここでもう少しアマチュア横綱から大相撲に入った人たちについて詳しく見ていきましょう。
開催年/和暦
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優勝者
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所属
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最高位 しこ名
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1976年/昭和51年
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長岡末弘
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近畿大3年
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4代目大関 朝潮太郎
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1977年/昭和52年
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同上
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近畿大4年
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同上
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1981年/昭和56年
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服部祐兒
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同志社大3年
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幕内 藤ノ川
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1982年/昭和57年
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同上
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同志社大4年
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同上
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1983年/昭和58年
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久嶋啓太
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新宮高3年
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幕内 久島海
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1984年/昭和59年
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同上
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日本大1年
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同上
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1987年/昭和62年
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山崎直樹
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日本大3年
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幕内 大翔山
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1989年/平成元年
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成松伸哉
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山口県
大津高校教員
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小結 智ノ花 |
1990年/平成2年
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栗本 剛
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中央大2年
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十両 武哲山
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1992年/平成4年
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尾曾武人
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専修大3年
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大関 武双山
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1996年/平成8年
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田宮啓司
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日本大2年
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大関 琴光喜
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1997年/平成9年
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同上
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日本大3年
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同上
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1998年/平成10年
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加藤精彦
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日本大4年
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小結 高見盛
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2000年/平成12年
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内田 水
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日本大2年
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小結 普天王
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2001年/平成13年
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三好正人
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近畿大4年
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幕下 朝陽丸
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2002年/平成14年
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大西雅継
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日体大3年
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関脇(現幕内)
嘉風
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2006年/平成18年
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市原孝行
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日本大3年
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幕内 市原
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2012年/平成24年
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遠藤聖大
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日本大4年
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小結(現幕内)
遠藤
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2013年/平成25年
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川端翔伍
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日本大4年
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現幕内 大翔丸
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2014年/平成26年
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大道久司
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東洋大4年
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現関脇 御嶽海
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2015年/平成27年
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バーサンスレン・トゥルボルド
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日本大3年
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現十両 水戸龍
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2016年/平成28年
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矢後太規
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中央大4年
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現幕内 矢後
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以上、アマチュア横綱でその後大相撲界に入門した力士についてお伝えしましたが、こうして見ますと、大学出身者がいかに多いかが改めて分かりますね。
矢後関は成績がすごい?
やはり気になるのは大相撲に於いては結果がすべてであることも事実で、成績が大きくものをいう世界ですね。
そこで矢後関のここまでの関取になった後の成績を見ていきたいと思います。
平成30年3月場所では東十両11枚目で、初日から硬くなってしまったのか、4連敗を喫しそれが最後まで尾を引いて7勝8敗とあと一息の所で、惜しくも負け越してしまいました。
同年の5月場所では東十両12枚目で、この場所では初日から破竹の7連勝を挙げましたが、後半は5連敗を喫してしまったため最終的には9勝6敗で勝ち越しをしました。
さらに同年7月場所では西十両8枚目まで上がり、鋼板頑張って5連勝を挙げて10勝5敗という好成績を残すことができましたね。
同年9月場所では西十両2枚目で何とか踏ん張って8勝7敗と辛くも勝ち越すことができましたが、これは幕内昇進への大きな足掛かりとなったと思います。
そして11月場所では東十両筆頭の好位置で力を十分発揮し、二けた勝利の10勝5敗という好成績を残し、来場所の新入幕を確実なものとしましたね。
新入幕の矢後関に期待する
そしてうれしい2019年初場所を迎え、初日には明生関を見事に下して、新入幕初勝利を遂げたことは素晴らしいことと思います。
ここまで見てきましたように矢後関はこれからもぐんぐん実力を発揮して、さらに上の地位まで登っていくことは確実だろうと思っています。
解説の北の富士勝昭さんの期待に応えるように、私も矢後関の今場所の活躍を見守っていきたいと思います。
そして早く三役を目指し、ゆくゆくは大関、横綱を大きな目標にしてほしいと思います。
私も久しぶりの大型新力士の誕生で、これから大相撲を見るうえで楽しみが増えてきた気がします。
早く日本人横綱を見たいものだと思っています。
頑張れ矢後関、目指せ横綱を!
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