真夏の祭典である「東京2020オリンピック・パラリンピック」が開催されるまであと1年1か月ほどになりました。
各競技において現在出場を決めるため様々な大会が催されて、出場する選手が次々と決まっていきます。
そこでここからは「東京五輪射撃」について、日程や会場、注目と有力選手、さらにはメダル獲得候補者を見ていきたいと思います。
Contents
東京五輪射撃競技の基礎知識
最初に射撃の競技について、基礎的な知識を得るために学んでいきましょう。
射撃は読んで字の如く銃器を用いて所定の標的を撃つことです。
つまり「標的に正確に弾を打つことを問われる競技」で2つの種目があります。
・ライフル射撃 → 固定されている標的をライフル銃で撃つ。
・クレー射撃 → 空中に放出される動く標的を撃ち壊す。
第1回のアテネ五輪1896から正式な競技として始まりました。
動きがほとんどないスポーツで静寂競技ともいわれます。
体力よりも精神力の強さを問われる競技ですので、年配の選手が多いことでも知られています。
戦う相手は他の選手でなく自分自身と戦うことがこの競技の特徴ともいえますね。
ライフル射撃の標的は、みなさんご存知の通り同心円が描かれていて、中心に近ければ近いほど得点が高くなります。
ライフル銃とピストルを使う種目があり、標的までの距離と使う銃によって種目が分かれています。
銃の種類ですが、50mライフル、10mエアライフル、25mピストル、10mピストルの4種類、距離としては50メートル、25メートル、10メートルの3種類があります。
そして撃つ時の姿勢ですが、立って行う「立位」と片足を膝立てて膝の上に銃を置いて構える「膝射」これはしっしゃといいます。
伏せて銃を構えるのが「伏射」これはふくしゃといいます。
経った姿勢で銃を構えるのが「立射」これはりっしゃといいます。
これら3種類を組み合わせた種目も存在します。
クレー射撃の方は空中に飛び出した皿状の標的を、弾が散るように発射される散弾銃というものを使って撃つ競技です。
これには2種類あり「トラップ」と「スキート」があります。
トラップは1つの装置から遠くへクレーが飛び去って行くもので、スキートは左右の装置からクレーが放出されるものをいいます。
東京2020五輪では10mエアライフル、10mエアピストル、クレー・トラップに男女混合が加わります。
大会種目
・50mライフル3姿勢個人男子・女子
・10mエアライフル男子・女子・混合
・25mラピッドファイアピストル個人男子
・25mピストル個人女子
・10mエアピストル男子・女子・混合
・トラップ男子・女子・混合
・スキート男子・女子
東京五輪射撃の注目選手は?
ここからは射撃の日本選手で注目されている選手を挙げてみたいと思います。
松田 知幸

松田 知幸(まつだ ともゆき)選手は、1975年(昭和50年)12月12日生まれで43歳です。
神奈川県出身で身長は174cm、体重は73kg、所属は「神奈川県警察」で、ピストル射撃の選手です。
仕事は警察官で、現在は神奈川県警警務部教養課で勤務しています。
種目は10mエアピストル、50mピストルです。
2008年の北京五輪、2012年のロンドン五輪、2016年のリオデジャネイロ五輪と3大会連続出場を果たしています。
ここまでの主な成績は、2010年のISSF世界射撃選手権ミュンヘン大会で50mピストルとエアピストルで、共に金メダルを獲得しました。
2018年のアジア競技大会ジャカルタでは男子10mエアピストルで、銀メダルを獲得しています。
男子射撃では注目されている選手です。
堀水 宏次郎

堀水 宏次郎(ほりみず こうじろう)選手は1982年(昭和57年)1月1日生まれで37歳です。
身長は170cm、体重は65kg、香川県の出身で香川県警察員です。
2002年に香川県警拳銃特別訓練生となり、より本格的に射撃競技を始めたそうです。
ここまでの主な成績をお伝えしますと、2004年の全国警察拳銃射撃大会では、香川県警として参加し、見事に団体戦で初めて優勝を飾りました。
2010年のアジア大会広州大会では、50mピストルで6位に入り、50mピストル及びエアピストルの団体戦では銅メダルを獲得しています。
男子射撃では注目されている選手です。
秋山 輝吉

秋山 輝吉(あきやま てるよし)選手は、1971年(昭和46年)12月25日生まれで47歳です。
身長は168cm、体重は65kg、宮城県の出身で宮城県警察所属の警察官です。
種目はラピッドファイア―です。
ここまでの主な成績は、2002年のアジア競技大会韓国の釜山大会では、25mラピッドファイア―ピストル個人で6位に入りました。
25mラピッドファイア―ピストル団体では4位に、25mセンターファイア―ピストル個人で15位に、25mセンターファイア―ピストル団体では8位に、25mスタンダードピストル個人では16位に、25mスタンダードピストル団体では8位に入りました。
2006年のアジア競技大会カタールのドーハ大会では射撃の8種目に出場しています。
男子25mラピッドファイア―ピストル個人では5位、同団体では銀メダルを、25mセンターファイア―ピストル個人13位、同団体で4位、25mスタンダードピストル個人で17位、同団体で8位、男子10mエアーピストル個人で19位、同団体で5位に入りました。
2013年のISSFワールドカップでは25m個人戦で見事に優勝しています。
男子射撃では注目されている選手です。
森 栄太

森 栄太(もり えいた)選手は、1983年(昭和58年)4月13日生まれで36歳です。
静岡県の出身で自衛隊体育学校の所属です。
身長は173cm、体重は76kgで種目はラピッドファイア―です。
ここまでの主な成績は、2016年のリオデジャネイロ五輪では19位で予選敗退となりました。
リオ五輪のアジア予選では3位に入っています。
この選手も東京五輪に向かって注目の選手です。
山下 敏和

山下 敏和(やました としかず)選手は、1977年(昭和52年)2月21日生まれで42歳です。
徳島県の出身で自衛隊体育学校の所属です。
身長は170cm、体重は74kgで種目は10mエアライフル、50mライフル伏射、50mライフル3姿勢です。
ここまでの主な成績は、2002年のアジア大会韓国釜山大会ライフル個人では15位でした。
2003年の全日本選手権では見事に優勝を飾っています。
2005年のワールドカップエアライフルでは29位でした。
2006年のアジア大会ドーハ大会ではエアライフルで15位に入っています。
2007年の日本選手権では日本新記録を達成しました。
2008年の北京五輪と2016年のリオ五輪で出場を果たしました。
2015年のワールドカップではライフル3姿勢で6位に入賞しています。
この選手も東京五輪に向かって注目の選手です。
岡田 直也

岡田 直也(おかだ なおや)選手は、1990年(平成2年)10月10日生まれで28歳です。
身長は185cm、体重は70kg、岡山県の出身で所属は「ALSOK」、種目は10mエアライフルです。
ここまでの主な成績は、2016年のリオ五輪で20位で予選敗退という結果でした。
2016年のリオ五輪のアジア予選では見事に優勝を飾っています。
この選手も東京五輪に向かって注目の選手です。
谷島 緑

谷島 緑(やじま みどり)選手は1979年(昭和54年)4月17日生まれで40歳です。
身長は170cm、体重は77kg、茨城県の出身で自衛隊体育学校の所属で自衛官です。
種目は10mエアライフル、50mライフル伏射、50mライフル3姿勢です。
ここまでの主な成績は、2010年のアジア競技会広州大会で男子50mライフル3姿勢では個人で5位に入賞しました。
同伏射では個人で10位、男子10mエアライフル個人では19位に入っています。
2012年のアジア選手権カタール大会で50mライフル伏射で見事に優勝を飾っています。
2012年のロンドン五輪男子エアライフルでは予選で38位となり敗退しました。
この選手も東京五輪に向かって注目の選手です。
大山 重隆

大山 重隆(おおやま しげたか)選手は、1981(年昭)和56年8月25日生まれで37歳です。
身長は165cm、体重は60kg、埼玉県出身で所属は「大山商事(有)」でクレー射撃の選手です。
種目はトラップで、ここまでの主な成績は、2014年のアジア大会仁川大会に出場し、23位で予選敗退という結果でした。
2019年4月のワールドカップアルアイン大会では、男子トラップ予選で11位に入っていますが、予選敗退になっています。
今大会では東京五輪出場枠獲得はなりませんでしたが、次の機会を狙っていますので、この選手も注目の選手の一人です。
次に女子の選手をご紹介します。
佐藤 明子

佐藤 明子(さとう あきこ)選手は、1984年(昭和59年)2月9日生まれで35歳です。
身長は162cm、体重は60kg、千葉県の出身で国士舘大学卒で警視庁に所属をしています。
ピストル射撃選手で種目は、10mエアピストル、50mピストルです。
ここまでの主な成績は、2014年と2015年の全日本選手権エアピストルで、大会2連覇の偉業を達成しています。
2016年のリオ五輪のアジア予選では4位に入賞し、リオデジャネイロ五輪で女子25mピストル個人で出場を果たしていますが、結果は予選で34位となり、残念ながら予選敗退という結果でした。
この選手も東京五輪に向かって注目の選手です。
小西 ゆかり

小西 ゆかり(こにし ゆかり)選手は、1979年(昭和54年)1月11日生まれで40歳です。
身長は162cm、体重は50kg、北海道の出身で元自衛隊体育学校に所属をしていましたが、2012年から飛鳥交通に所属しているピストル射撃の選手です。
種目は、10mエアピストル、25mピストルです。
ここまでの主な成績は、2003年のワールドカップ25mピストルで3位に入りました。
2004年のアジア選手権では4位に入り、アテネ五輪に出場しましたが25mピストルで25位になりました。
2008年の全日本選手権では25mピストル射撃で、日本新記録を打ち立てて見事に優勝しました。
2012年のロンドン五輪に出場しました。
2010年のアジア競技大会広州大会では、女子25mピストルで784.8点を獲得して見事に銀メダルを獲得しています。
この選手も東京五輪に向かって注目の選手です。
岩田 聖子

岩田 聖子(いわた せいこ)選手は、1981年(昭和56年)3月3日生まれで38歳です。
身長は163cm、体重は55kg、青森県の出身で東洋大学卒、所属は「(株)日立システムズ」でライフル射撃の選手です。
種目は、10mエアライフル、50mライフル3姿勢、50mライフル伏射です。
ここまでの主な成績は、2006年のアジア競技大会ドーハ大会では女子50mフリーライフル3姿勢個人で25位、女子50mフリーライフル伏射個人で28位、女子10mエアーライフル個人27位という結果に終わりました。
2010年のアジア競技大会広州大会では、女子50mフリーライフル3姿勢個人で22位、同女子団体で5位、女子50mライフル伏射個人では銅メダル、女子50mライフル伏射団体で6位、女子10mエアライフル個人で25位という結果に終わりました。
この選手も東京五輪に向かって注目の選手です。
石原 奈央子

石原 奈央子(いしはら なおこ)選手は、1974年(昭和49年)10月22日生まれで44歳です。
身長は157cm、体重は64kg、東京都の出身で所属は「宗教法人古峰神社」で、クレー射撃の選手です。
種目はスキートです。
栃木県鹿沼市にある1300年もの歴史のある古峰神社で、神主をされているそうです。
お父さんもクレー射撃の選手をされていたそうで、親子2代でのクレー射撃選手とは、ちょっと驚きですね。
しかも神社の中に明治7年の昔から、自前の射撃場が作られているそうですが、こちらも驚きです。
お父さんの敬士さんは、1968年のメキシコシティー五輪、1980年のモスクワ五輪でもクレー射撃日本代表に選ばれましたが、日本の協会不祥事と日本国不参加のために出場できず、「幻のオリンピアン」となったとのことです。
ここまでの主な成績は、2016年2月のリオ五輪アジア予選で見事に優勝を飾り、リオ五輪の出場を果たしました。
この選手も東京五輪に向かって注目の選手です。
中山 由起枝

中山 由起枝(なかやま ゆきえ)選手は、1979年(昭和54年)3月7日生まれで40歳です。
身長は161cm、体重は52kg、栃木県の出身で所属は「日立建機株式会社」で、クレー射撃の選手です。
ここまでの主な成績は、2008年の北京五輪でクレー射撃女子トラップで4位に入賞しました。
2010年のアジア大会広州大会では、クレー射撃女子トラップ個人で日本人初となる金メダルを見事に獲得しています。
2013年の世界クレー射撃選手権カバラ大会では、女子クレー・トラップ個人で、こちらも見事に金メダルを獲得しました。
この選手も東京五輪に向かって注目の選手です。
以上ここまでは東京五輪射撃の注目選手をご紹介しました。
こうして見てみますと、かなり多くの選手がいることが分かりますね。
大いに期待したいと思います。
東京五輪射撃の有力選手は?
ここからは有力と思われる選手をお伝えしていきたいと思います。
男子では「松田 知幸」を一押ししたいと思います。
なんといっても五輪で3大会連続出場を成し遂げていることは、素晴らしい実績のある選手だと思います。
若手選手では「岡田 直也」を推したいと思います。
ベテラン選手が多い中にあって、28歳という若さを大いに発揮して欲しいと思います。
一方の女子選手では、「佐藤 明子」を推したいと思います。
何といっても全日本選手権の2連覇達成という偉大な成績を残している選手ですので、期待したいところですね。
もう一人は「中山 由起枝」を推したいところです。
過去において2度の金メダル獲得という実績がありますので、こちらも大いに期待が持てそうな気がします。
東京五輪射撃のメダル候補選手を調査!
東京2020五輪出場できる選手も未定なため、まだ気が早いところではありますが、ここではメダルを期待できそうな選手を挙げてみたいと思います。
男子では「松田 知幸」に金メダルを期待したいと思います。
女子では「佐藤 明子」にも金メダルを期待したいと思います。
また、「中山 由起枝」にも銀メダルを期待しています。
他の選手にもメダル獲得を期待しています。
いずれにしましても残された期間はあまり長くありません。
選手の皆さんには体調に十分注意をして、日ごろ鍛えた射撃の腕を本番でも見せて欲しいと願っています。
真夏の暑いさなかの五輪大会ということですから、熱中症などが起こりやすいと思います。
皆さんも頑張って日本代表選手たちを、心から応援しようではありませんか!
頑張れニッポン!
東京五輪射撃の日程と会場は?(新しい日程発表)
それでは射撃の日程と会場についてお伝えします。
日程と会場
この度、新しい射撃競技の日程が下記の通り発表されましたので、お伝えしたいと思います。。
射撃競技の期間は、2021年(令和3年)7月24日(土)~8月2日(月)です。
【射撃】
日時:7月24日(土) 8:30~16:30
会場:陸上自衛隊朝霞訓練場(R&P 本選・ファイナル)
・女子10mエアライフル個人本選
・女子10mエアライフル個人ファイナル
・女子10mエアライフル個人表彰式
・男子10mエアピストル個人本選
・男子10mエアピストル個人ファイナル
・男子10mエアピストル個人表彰式
日時:7月25日(日) 9:00~16:00
会場:陸上自衛隊朝霞訓練場(クレー射場)
・女子スキート個人本戦1日目
・男子スキート個人本戦1日目
日時:7月25日(日) 9:00~16:30(R&P本戦・ファイナル)
・女子10mエアピストル個人本選
・女子10mエアピストル個人ファイナル
・女子10mエアピストル個人表彰式
・男子10mエアライフル個人本選
・男子10mエアライフル個人ファイナル
・男子10mエアライフル個人表彰式
日時:7月26日(月) 9:00~17:15
会場:陸上自衛隊朝霞訓練場(クレー射場)
・女子スキート個人本戦2日目
・男子スキート個人本戦2日目
・女子スキート個人ファイナル
・男子スキート個人ファイナル
・女子スキート個人表彰式
・男子スキート個人表彰式
日時:7月27日(火) 9:00~16:30
会場:陸上自衛隊朝霞訓練場(R&P 本選・ファイナル)
・混合10mエアピストル団体本選
・混合10mエアピストル団体ファイナル
・混合10mエアピストル団体表彰式
・混合10mエアライフル団体本選
・混合10mエアライフル団体ファイナル
・混合10mエアライフル団体表彰式
日時:7月28日(水) 9:00~16:00
会場:陸上自衛隊朝霞訓練場(クレー射場)
・女子トラップ個人本戦
・男子トラップ個人本戦
日時:7月29日(木) 9:00~12:45
会場:陸上自衛隊朝霞訓練場(R&P ファイナルホール)
・女子25mピストル個人本選精密ステージ
日時:7月29日(木) 9:00~16:55
会場:陸上自衛隊朝霞訓練場(クレー射場)
・女子トラップ個人本戦2日目
・男子トラップ個人本戦2日目
・女子トラップ個人ファイナル
。男子トラップ個人ファイナル
・女子トラップ個人表彰式
・男子トラップ個人表彰式
日時:7月30日(金) 9:00~15:00
会場:陸上自衛隊朝霞訓練場(R&P ファイナルホール)
・女子25mピストル個人本選
・女子25mピストル個人ファイナル
・女子25mピストル個人表彰式
日時:7月31日(土) 9:00~14:50
会場:陸上自衛隊朝霞訓練場(クレー射場)
・混合トラップ団体本戦
・混合トラップ団体ファイナル
・混合トラップ団体表彰式
日時:7月31日(土) 12:00~17:10
会場:陸上自衛隊朝霞訓練場(R&P本戦 ファイナル)
・女子50mライフル3姿勢個人本選
・女子50mライフル3姿勢個人ファイナル
・女子50mライフル3姿勢個人表彰式
日時:8月1日(日) 8:30~13:15
会場:陸上自衛隊朝霞訓練場(R&P ファイナルホール)
・男子25mラピッドファイアピストル個人本選第1ステージ
日時:8月2日(月) 8:30~18:00
会場:陸上自衛隊朝霞訓練場(R&P 本選・ファイナル)
・男子25mラピッドファイアピストル個人本選第2ステージ
・男子50mライフル3姿勢個人本選
・男子25mラピッドファイアピストルファイナル
・男子25mラピッドファイアピストル個人表彰式
・男子50mライフル3姿勢個人ファイナル
・男子50mライフル3姿勢個人表彰式
以上射撃の新しく設定された日程と会場をお伝えしました。
上記の日程につきましては、念のため東京五輪2020ホームページの射撃競技のスケジュールをご確認いただきたいと思います。
出場予定の日本代表の選手たちの活躍を祈っています。
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