東京2020オリンピック開会式まであと1年余りに迫ってきました。
1964年の東京オリンピック当時は中学生だった私ですが、まさか再び日本で開催されることになろうとは思ってもいませんでした。
前回の開催は10月10日という日本の秋であり、爽やかな季節でした。
しかし来年開催される東京五輪大会は、日本で一番暑い真夏の開催となっています。
暑さ対策が必要なオリンピックは、恐らく今回が初めてではないかと思います。
観客の人たちも熱中症で倒れてしまう恐れが十分ありますから、こまめに水分と塩分を取るようにしたいものですね。
しかし楽しいオリンピックに期待する人たちも多いと思います。
ここからは、馬術競技に的を絞って、競技日程や注目される選手、メダルを期待されそうな選手などについて、最新情報をお伝えしたいと思います。
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東京五輪馬術の競技内容は?
オリンピック競技の中でも、他の競技と雰囲気や目的、内容などが違う競技の一つに「馬術競技」があります。
人と人が技を競う競技と違い、馬術は人と馬が一体となるスポーツです。
「人馬一体」の境地を目指すもので,いかに馬と人間が一つの心になれるかを競うものです。
そのため必要な要素は馬の気持ちをどこまで酌んで、決まったコース内を美しく歩いたり走ったりできるかに掛かってきます。
自然に近い馬場でゆったりした気分で競技を見ることができますから、結構人気のあるオリンピック競技といえますね。
この競技は男女ともに同じ条件で競技が行われるとのことです。
オリンピックでは以下の3種類の競技が行われます。
・馬場馬術
・障害馬術
・総合馬術
それではそれぞれの競技内容を詳しくお伝えします。
馬場馬術
「ドレッサージュ」ともいわれるもので、馬をいかに正確にかつ美しく運動させられるかを競います。
決められた馬場で1騎ずつ演技を行い、定められた歩様と歩度、さらに運動課目で図形を描いていく競技です。
決められた形で行う「規定演技」と、所定の音楽に合わせて自由に組み合わせをして行う「自由演技」の2つがあります。
オリンピックでは団体は「規定演技」のみが行われ、個人は「規定演技」と「自由演技」の2つが行われ、各競技で10点満点で審判員が採点、得点の多い方から順位が決定することになっています。
障害馬術
採点ですが、基本は減点方式で、馬が飛び越えるように作られた障害が何カ所か設定されているコースを、選手が馬に乗って通過していく競技です。
中には乗り越える際に恐怖感で急停止してしまう馬もいて、なかなか難しそうです。
バーがかけられているのでそれを落としてしまったり、障害を乗り越えられず破壊してしまったり、規定のタイムをオーバーしてしまうと減点です。
さらに馬が障害を避けてしまったり、後退してしまったり直前で急停止した場合は、減点プラス反抗が取られてしまいます。
反抗を2回数えられたり落馬した場合、さらには障害の飛び越え順を間違えても失権というものが取られてしまいます。
この失権が取られてしまった場合は、それ以降の障害はすべて失敗とみなされるために、大幅な減点になってしまいます。
最終的には得点順で決まりますが、同点の場合には障害の難度を上げて決勝戦を行い、タイムが早い方が勝利することになっています。
総合馬術
上記の「馬場馬術」と「障害馬術」に合わせてクロスカントリーの審査が加わるもののことを「総合馬術」と呼んでいます。
これは馬術と呼ばれているすべての要素を含んでいて、3日間同じ選手が騎乗して行われます。
通常は初日に「馬場馬術」、2日目に「クロスカントリー」でこれは耐久審査ともいわれています。
そして3日目に「障害馬術」でこれは余力審査ともいわれていますがそれぞれ行われます。
「クロスカントリー」は平坦な馬場ではなく、自然な状態を生かして作られた、起伏のあるコースづくりですので、見ていてもとても面白い競技といえそうです。
通常世界レベル大会においては、コースの長さは6km以上で、40か所以上の障害を設けているため、参加する人と馬にとっては体力面と共に勇気と精神力も要求されるとのことです。
そしてもっと大切なこととしては服装の規定があります。
黒や濃紺の燕尾服と白のキュロット・ストックタイまたはネクタイ、手袋、乗馬用のブーツ着用が義務付けられています。
これは馬術というものが、伝統と格式が大切であることの証ではないでしょうか。
以上馬術競技の内容についてお伝えしました。
東京五輪馬術の注目選手は?
この馬術競技ですが、日本代表選手として現状では、以下のような選手が候補として挙がっているようですので、ご紹介したいと思います。
男子・女子共に3名の選手をご紹介します。
杉谷 泰造

杉谷 泰造(すぎたに たいぞう)選手は、1976年(昭和51年)6月27日生まれで今年で42歳のベテラン選手です。
大阪府和泉市の出身で、身長は170cm、体重は63kgで現在の所属は「杉谷乗馬クラブ」です。
これまでの馬術経歴ですが、1996年アトランタ五輪大会から2016年リオデジャネイロ五輪大会まで、実に6大会連続でオリンピック出場という快挙を成し遂げています。
かつて「オリンピックは参加することに意義がある」との名言を聞いたことがありますが、まさにそれを実証するくらい素晴らしい選手だと尊敬します。
6大会連続出場ということは、24年間欠かさずに出場したわけですから、素晴らしいという以外言葉もありません。
この出場記録ですが、日本記録になっているそうです。
この杉谷 泰造さんは、お父さんから影響を受けました。
なんと6歳の時だそうですから以来36年もの長い間、乗馬一筋にここまで来られたことになります。
17歳の時からオランダへ拠点を移されたそうで、今はドイツを拠点として活動をされているそうです。
さらに驚くことは、おじいさんとお父さんそして本人と、3代にわたって馬術の日本代表を務めているということですから、素晴らしい歴史のある馬術一家であると思います。
来年は故郷でもある日本で開催されることですから、感慨深いものがあるのではないでしょうか。
今回も活躍を期待したいと思います。
北島 隆三

北島 隆三(きたじま りゅうぞう)選手は、1985年(昭和60年)10月23日生まれで、今年で33歳になります。
兵庫県神戸市の出身で、現在の所属は「乗馬クラブクレイン」です。
もともとは乗馬の騎手になりたかったそうです。
これまでの主な成績は、2014年の仁川アジア大会で団体銀メダルを獲得しました。
2016年のリオデジャネイロオリンピックでも、参加した10選手中最年少として出場し、活躍をされました。
2018年にはジャカルタでの味大会で、見事に団体金メダルを獲得しています。
アメリカでのトライオン世界馬術選手権でも、団体で4位に入っています。
明治大学在学中には馬術部に所属して、キャプテンを務めました。
そして全日本学生大会では驚きの14連覇を達成していますが、その貢献者の一人だそうです。
今回も活躍を期待したいと思います。
法華津 寛

この法華津 寛(ほけつ ひろし)選手は、1941年(昭和16年)3月28日生まれで今年で78歳という超ベテラン選手です。
出身地は東京府だそうですが、この呼び方は1868年から1943年までの呼び名だそうです。
府庁所在地は東京市だそうですので、若い世代の人にとっては、分からない呼び名ですね。
身長は168cm、体重は61kgで、所属は「アバロン・ヒルサイドファーム」です。
馬術へのきっかけですが、12歳の時にサマーキャンプで初めて馬に乗ったそうです。
元外交官だったお父さんに頼み、東京乗馬倶楽部に加入し、以来学生時代から数々の大会に出場しているとのことです。
1964年の東京オリンピックでも出場しました。
その時の成績は障害飛越個人で40位、団体では12位の成績だったそうです。
2012年のロンドンオリンピックでは、年長記録で市場3番目という年長記録を達成しました。
馬によく言われる言葉の一つに「無事これ名馬なり」との名言がありますが、失礼ながら法華津選手も、そのような称号がふさわしいのではないかと思います。
来年の東京オリンピックにもぜひ出場を果たしていただきたいと思います。
武田 麗子

一方、女子の選手ですが武田 麗子(たけだ れいこ)選手は、1984年(昭和59年)12月14日生まれで、今年で34歳という若手の選手です。
兵庫県神戸市の出身で、現在の所属は「杉谷乗馬クラブ」です。
女性ですので身長と体重については省略しますが、ご家庭の方はご紹介したいと思います。
お父様は、あの超優良会社である「武田薬品工業」の元代表取締役会長CEOで、ほかにも重要な仕事をされている「武田 國男」さんとのことです。
乗馬ですが中学1年生の時から始めたとのことです。
その師匠は先ほど男子選手の一人でご紹介しました「杉谷 泰三」さんだそうです。
素晴らしい師に出会ったことにより、めきめきと乗馬技術を高めてきたものと思われます。
甲南大学卒業後にベルギーに渡っていましたが、現在はドイツを拠点として活動中とのことです。
ここまでの経歴ですが、2010年のアジア競技大会で初めて日本代表に選出されました。
その時の成績は、障害飛越個人で24位だったそうです。
2012年のロンドン五輪と2016年のリオデジャネイロ五輪で、2大会連続出場を果たしています。
写真で見てもお分かりの通り、飛び切りの美人選手ですので、人気はかなり高いということです。
今回も活躍を期待したいと思います。
黒木 茜

黒木 茜(くろき あかね)選手は、1978年(昭和53年)8月13日生まれで、今年で40歳の中堅選手です。
兵庫県加古川市の出身で、現在の所属は「スクーデリアエクイット」です。
20歳の時に初めて体験乗馬で馬に乗ったそうですので、割合遅めのデビューといえますね。
馬術競技はその後5年経過してから始めたとのことで、候補選手の中では、一番競技歴が短い選手です。
老人ホームを経営されていてオランダでトレーニングを積んでいる選手ですので、行き来が大変だと思いますが、それでも頑張っているようです。
ここまでの経歴ですが、2016年のリオデジャネイロ五輪では日本代表に選出され、個人で50位、団体では11位の成績を収めています。
今回も活躍を期待したいと思います。
北井 裕子

北井 裕子(きたい ゆうこ)選手は、1973年(昭和48年)1月15日生まれで、今年で46歳という中堅選手です。
神奈川県横浜市の出身で、現在の所属は「アジェンダ乗馬学校」です。
乗馬のきっかけは、小学6年生の時に実家で乗馬学校を経営していたことで、始めたそうです。
青山学院大学在学中に体育会馬術部に所属していたそうです。
そして2007年にドイツに遠征しました。
経歴ですが、2008年の北京五輪と2016年のリオデジャネイロ五輪でそれぞれオリンピックに出場していますが、成績については不明です。
今回も活躍を期待したいと思います。
以上ここまでは馬術競技の注目選手をお伝えしました。
東京五輪馬術の有力選手は?
そこでここからは有力選手を取り上げてみたいと思います。
男子選手では若手の選手である「北島 隆三」選手を推してみたいところですね。
過去においても金メダルと銀メダルをそれぞれ獲得していることもあり、有力な選手の一人であることは、間違いありません。
今回も大いに期待したいと思っています。
一方、女子選手では「黒木 茜」選手を推したいと思います。
40歳という年齢は馬術競技ではちょうどよい年齢であり、しかも2018年のアジア競技大会では、馬術団体戦で見事に金メダルを獲得しています。
この選手にも今回、大いに期待したいと思っています。
以上有力と思われる選手を2名選んでみましたが、ほかの選手にも頑張ってほしいと思っています。
東京五輪馬術のメダル候補選手を調査!
さあ東京オリンピックもいよいよ間近に迫り、これから残された期間が一番選手たちにとっても重要であると思います。
まだこんな話をするのは早すぎるのではないか?とお叱りを受けそうですが、メダルの候補選手について、取り上げてみたいと思います。
難しい選択ですが、やはり過去の経歴を重んじてみますと、金メダルは男子の「北島隆三」選手と、女子の「黒木 茜」選手のお二人を候補に上げたいと思います。
まだほかにも候補者はいるかもしれませんが、今の段階ではお二人を推薦したいと思います。
暑さが厳しい真夏のオリンピックを初めて経験することになるわけですが、くれぐれも選手の皆さんには、体調管理に十分すぎるくらい気を付けていただきたいと思います。
熱中症はとても怖い病気です。
場合によっては亡くなってしまうこともあるほど怖いことを、大会関係者の皆様には、ぜひ心に刻んでいただきたいと念願しています。
せっかく日本での久しぶりのオリンピックに、水を差すようで申し訳なく思っていますが、気がかりなことですので改めてお願いした次第です。
さあ皆さんで、日本の代表選手へ力強いエールを送りましょう!
頑張れニッポン! 馬事公苑の一番上に日の丸の旗を掲げよう!
競技日程と会場【新日程発表版】
この度、新しい日程が決定しましたので、ここからは東京2020オリンピック馬術競技日程と会場についてお伝えしていきたいと思います。
馬術競技ですが2021年7月24日(土)~ 2021年8月7日(土)までの期間で、計12日間開催される予定です。
馬術(馬場馬術)
2021年7月24日(土) 午後5:00~午後10:15
会場:馬事公苑
種目:馬場馬術団体兼個人グランプリ 1日目
2021年7月25日(日) 午後5:00~午後10:15
会場:馬事公苑
種目:馬場馬術団体兼個人グランプリ 2日目
2021年7月27日(火) 午後5:00~午後10:40
会場:馬事公苑
種目:馬場馬術団体グランプリスペシャル
馬場馬術団体表彰式
2021年7月28日(水) 午後5:30~午後9:25
会場:馬事公苑
種目:馬場馬術個人グランプリフリースタイル
馬場馬術個人表彰式
2021年7月30日(金) 午前8:30~11:00
会場:馬事公苑
種目:総合馬術馬場団体兼個人 1日目-1組
2021年7月30日(金) 午後5:30~8:10
会場:馬事公苑
種目:総合馬術馬場団体兼個人 1日目-2組
2021年7月31日(土) 午前8:30~11:00
会場:馬事公苑
種目:総合馬術馬場団体兼個人 2日目-3組
2021年8月1日(日) 午前7:45~11:10
会場:海の森クロスカントリーコース
種目:総合馬術クロスカントリー団体兼個人
2021年8月2日(月) 午後5:00~10:25
会場:馬事公苑
種目:総合馬術障害団体決勝及び個人予選
総合馬術障害個人決勝
総合馬術団体表彰式
総合馬術個人表彰式
2021年8月3日(火) 午後7:00~10:45
会場:馬事公苑
種目:障害馬術個人予選
2021年8月4日(水) 午後7:00~9:40
会場:馬事公苑
種目:障害馬術個人決勝
障害馬術個人表彰式
2021年8月6日(金) 午後7:00~10:05
会場:馬事公苑
種目:障害馬術団体予選
2021年8月7日(土) 午後7:00~9:30
種目:障害馬術団体決勝
障害馬術団体表彰式
以上のような競技新日程が設定されています。
尚、詳細につきましては、東京五輪2020のホームページでご確認をお願い致します。
馬と人との愛情が伝わってくるような競技ですから、もし見ることができれば楽しくなると思います。
馬術日本代表選手のみなさんの活躍を祈っています。
乗馬の選手、どのように選出されるのでしょうか?
コメントを頂きましてありがとうございました。
ご質問の件ですが、調べてみましたので、お答えさせていただきます。
日本の障害馬術は、2019年4月から2020年6月までの、国際大会の成績や、合宿での様子を総合的に判断して、代表選手を決定する予定です。
馬場馬術では2020年1月から5月の競技会での成績から、上位4選手を候補とし、6月にドイツで行われる大会で、3人に絞る計画です。
総合馬術は、日本馬術連盟が指定している競技会での成績を踏まえて検討し、2020年6月には全3種目の代表が出そろうと見られています。
以上です。