昨夜は衝撃的な出来事がありましたね。
あのイチロー選手がついに長年の野球の世界から引退を発表しました。
日本のオリックスで9年間、アメリカでメジャーリーガーとして17年間合計26年間、日米プロ野球の現役選手として数々の偉大な記録を打ち立てたことは、世界中の大勢の人たちから高い評価を得ています。
昨夜は試合終了後、東京ドームでは満員の観客のほぼ全員が、イチロー選手最後の姿を見ようということで、誰も席を立たずイチロー選手が出てくるまで辛抱強く拍手やウエーブを行いながら待っていました。
そしてついにベンチの奥からイチロー選手が顔を出した時は、東京ドーム全体がおおきな歓声と拍手が鳴りやまず、イチロー選手をたたえていました。
そしてイチロー選手は球場内をゆっくりと帽子を取って観客の皆さんに手を振りながら、明るい笑顔で声援にこたえつつ、ゆっくり一周しました。
観客の中には感激のあまり涙を流しながら拍手をしたり、一生懸命記念撮影をする人たちの姿が実況中継されていました。
何とすがすがしい光景でしょうか、見ているこちらも思わず目頭が熱くなってくるのを止められませんでしたね。
その後記者会見で自ら挨拶をした後、各メディアからの質問に一問一答の形で、遅い時間まで丁寧に受け答えをしていました。
その顔にはすべてを出し切った男の顔が、素晴らしく輝いていましたね。
ここからはイチロー選手の記者会見で話したことを中心にお伝えしたいと思います。
イチローは引退後なにをする?
記者会見は何と85分間もの長時間にわたって深夜まで行われました。
恐らく試合に出た後なので疲れも相当あったものと思いますが、不満な顔一つ出さず、終始やや硬い表情ではありましたが、記者からの質問を一つずつ自分で租借しながら、真剣に答えていたのが印象的でしたね。
そんな質問攻めの際、これからイチロー選手は監督や指導者になるのか、それとも他に何をしたいか、ということを聞かれた時にこのような答えをしました。
「たぶん明日もトレーニングはしていますよ。ゆっくりしたいとかはぜんぜんないです。監督は絶対無理、人望がないですよ」という言葉を発しました。
私はこれを聞いていて、何かもったいないなという気がしました。
あれほどの野球理論や実践を積んできた選手ですから、これからは若い選手たちに対して、指導者としてぜひ監督をしてもらいたい、という気持ちです。
でもきっぱりと監督はやらないとのことですから、ある面ではそうなるだろうと思います。

イチローは高校野球の監督になる?
一部の新聞報道ではアマチュア野球、それも高校野球の監督を務めるのではないか、と報道されていましたが、真相のほどは分かりません。
しかし私は高校野球ファンの一人として、ぜひともどこかの高校の野球部監督になって指導をしてほしいと願っています。
イチロー選手がまだ細い体で高校生の時に愛工大明電高校の選手として甲子園大会に出場した時や、ドラフト会議で4位という低い位置からオリックスに入団後、新人選手を主体にした「ジュニアオールスター」が行われ、最高殊勲選手賞(MVP)と賞金100万円がおくられたときの、イチロー選手の満面の笑顔を忘れることができません。
これは私の主観ですが、イチロー選手の母校である愛工大名電高校などで監督をするようなことがあれば、最高だと思いますね。
記者会見の席上、イチロー選手はこのように話しました。
それは「プロ野球とアマチュア野球の垣根があるのが現実であるが、もし自分に子供がいてその子に野球を教えることが今の段階ではできない規則である。それをぜひ改善し垣根を越えて自分の息子に指導することができるようになればいい」と語っていたことが印象に残りました。
イチローが記者会見で語ったことは?
記者会見の席では、記者から少し意地悪な質問も飛び出しましたが、イチロー選手はそれをうまくかわしながらも、一つ一つ良く考えながら頭の中できちんと整理をしてからしっかりと答えていました。
その会見の席ではたくさんの質問が出ましたが、印象に残った主なことばをここでお伝えしたいと思います。
ある記者からの質問で、引退を決めたタイミングとそのわけは?との問いに対してイチロー選手は「キャンプの終盤に来ても結果が出せず、覆すことができなかった。マリナーズ以外のチームに行くという気持ちはなかった。後悔はしていない」
さらに印象に残ることは何か?との質問には「色々な記録を打ち立てたことは本当に小さなこと。昨年の5月以降試合に出られない状況でも練習を続けてきたが、それを成し遂げていなければ今日という日はなかった。ささやかな自分の誇りを生んだ日々であった」
キャリアで楽しさを感じていたか?との質問には「仰木監督と出会ってから、レギュラーで使っていただいた年までが楽しかった。力以上の評価をされるのは苦しい」
日本での試合では笑顔でしたが楽しめましたか?との質問には「純粋に楽しいということではない。誰かの思いを背負うことは重いことになるから簡単ではない。やっぱりヒットを打ちたかった」
50歳まで現役を続けるとのことだったと思うがどうか?との質問には「自分では確かに50までと思っていたが、有言不実行の男になってしまった。しかしその表現をしていなかったら、ここまではこれなかった」
とかずかずの言葉を残されました。
これ以外にも多くの質問が出されていましたがあとは割愛をさせていただきたいと思います。
昨夜の一連の出来ごとですが、何か私の胸の中にぽっかりと大きな穴が開いてしまったような気がしました。
まさに「野球の神様」がその大きな役を果たし終えた、そんな気持ちでいっぱいです。
これからはあの颯爽としたイチロー選手の打席における一連のルーティンがもう見られないことになることが、悲しくてなりません。
ホームの球場で試合のある時は、試合の前に食べるようにとおにぎりをいつも握ってくれて2800個を握ってくれたが、3000個まで握らせてあげたかったという奥様への感謝のことや、17歳7か月になる柴犬の「一弓(いっきゅう)」君の、高年齢になっても懸命に生きようとしている姿に感動を覚える、などというお話もされていましたが、そこには優しさにあふれるイチロー選手の暖かい人間性が、よく表れていたような気がします。
本当に長い間お疲れ様でした。これからはゆっくり休んでほしいと思います。
わたしたち多くのファンはあなたの一挙手一投足をいついつまでも決して忘れません。
今まで私たちに多くの感動をもらったことに感謝したいと思います。
「イチロー フォーエバー」
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