019年度のプロ野球界もすべての日程が終わり、来年に向けて秋季キャンプなどで汗を流しているところですが、果たして来年はどのような1年になるでしょうか。
新しくプロ野球界にドラフトで入団してくる選手や、今年で現役を終えて引退し、球団の指導者としての道を歩み始めるという人もいます。
プロ野球界もある意味人生のドラマと同じような気がします。
高校野球あるいは大学野球、さらには社会人野球など様々な場所において、自分の置かれたそれぞれの立場の中で、最高のパフォーマンスを見せてきたプロ野球選手にとって、誰でも最後には引退という道を通らざるを得ませんね。
そして引退後には指導者として所属の球団に残るか、プロ野球の解説者としてテレビやラジオの実況中継に出て話をするか、または全く違う仕事に就く人もいます。
ここからは現役時代に中日ドラゴンズのエースとして大活躍をし、引退後はプロ野球解説者として活躍中の、川上憲伸、その人をとりあげて現在の仕事ぶりや経歴、成績と年俸の推移などを見ていきたいと思います。
どうぞ最後までお付き合いください。
川上憲伸の現在は?

それでは川上憲伸さんの現在について見ていきましょう。
2017年のプロ野球開幕を迎えた際、川上憲伸は主にCBCテレビやCBCラジオでの野球解説者として仕事を始めています。
また中日スポーツ新聞でも野球解説者として、シーズン中には解説記事を載せていました。
そして2018年度からはテレビ朝日の「報道ステーション」内でスポーツコーナーの、コメンテーターとして出演しました。
その解説ぶりはさすがに長い間現役投手として活躍していただけあって、とても分かりやすいと、現在も高評価を得ているようですね。
当初は稲葉篤紀氏がスポーツコメンテーターとして出演していましたが、2017年に侍ジャパンの監督に就任して以来、その穴埋め的存在として出ていました。
2019年現在、ジャパンスポーツマーケティングがマネージメントを請け負っています。
私も川上憲伸さんの、あの優しい笑顔と分かりやすい解説に、連日プロ野球解説を楽しみに見ていました。
来年もまたあの笑顔を見ることができることを、楽しみにしています。
川上憲伸のテレビ野球解説が面白い!
投手出身だけあって、特にピッチャーの投げる直球のキレについての解説が多いようですね。
この「キレ」という言葉ですが、良く使われていますがいまいちよく分からないのが実情です。
川上さんが考えるキレという言葉ですがどんなことかを本人に聞いて見ます。
質問:一体ピッチャーのキレというのはどういうことをいうのでしょうか?
「難しいですね。キレとか伸びは良く出てくる言葉ですが、僕たちピッチャー側から見ると、バッターに錯覚を起こさせること、それがキレとか伸びにつながるのではないでしょうか」
「打者が目で見た感覚でとらえたというものが、とらえきれないことが、僕らからすると、キレがある、伸びがあるということだと思います」
「特にまっすぐ(ストレートボール)に関してですね。それが生きてくると、他の変化球も有効に聞いてくるんです」との答えが返ってきました。
質問:それではキレや伸びのあるボールを投げるためには、どのような練習をすればいいのですか?
「まずは手先で投げない練習ですね。投手と野手では投げ方が大きく違っています。それは体全体を使って体重移動をすることで、リリースポイントで最後に100パーセントを抑えることです」
「そうすることによって、より打者に近いボールを放てますし、それが良い投手の特徴となります」
質問:川上さん自身、キレや伸びを出すため練習をされていたことはありますでしょうか?
「やはり下半身の強化ですね。上体に頼ってしまうと気が付かないうちにキレがなくなっていく感じがあると思います」
質問:ちょっと変わったところでは、ピッチャーがタイムを取ってマウンドに集まる際、どんな話をしていることが多いのでしょうか?
「それは投手にもよりますが、特に若手にとっては間が大事だと思っています。あーだこーだと言っても頭に入ってきませんから、作戦どころではなかったりします」
「1回落ち着いて深呼吸しろよとか、守っている野手に声をかけてみろなど、さらに2人で1つのアウトを取る意識でいいよ、などとリラックスする話を持ってきてくれることが多いですね」
「ただ僕自身もエースと呼ばれる立場になってからは、そんな話は一切ありませんでした。入り球とか作戦的なことが中心で、長打を打たれるより1ヒットはオッケーだから、インコースは無理に行かなくていいなどですね」
このように楽しい内容の解説ですから、聞いていてとても分かりやすく感じます。
これが川上憲伸のテレビ野球解説が面白い理由です。
川上憲伸の経歴とプロフィールは?
それでは改めて川上憲伸の経歴とプロフィールをお伝えします。
川上 憲伸(かわかみ けんしん)は、1975年(昭和50年)6月22日生まれで44歳で、元プロ野球選手です。
徳島県徳島市の出身で、身長は179cm、体重は90kg、右投げ右打ちの投手で、現在は野球解説者として活躍しています。
高校は徳島商業高校で、当時は4番でエースとして活躍をしています。
第75回全国高等学校野球選手権大会では、2回戦の久慈商業高校戦では、最大で7点の差を付けられましたが、見事に逆転勝利をするなど準々決勝までコマを進めました。
高校を卒業後、明治大学二部商学部に進学しました。
大学3年時の東京六大学野球秋季リーグでは、全勝優勝に貢献しています。
4年生の時には主将に選出され、エースとして活躍しました。
当時は後に読売巨人軍の選手となる慶應義塾大学の高橋由伸と、同期のライバルとして、お互いに好勝負を繰り広げました。
この大学リーグでは通算57試合に登板、28勝15敗で防御率は2.14で奪三振は311個という素晴らしい成績でした。
ベストナインにも3回選ばれています。
当時はプロ野球入りの際、大学生は逆指名ができたので、1997年(平成9年)秋のドラフト会議直前の10月31日、大学の先輩でもある星野仙一監督率いる中日ドラゴンズへの逆指名を行い、中日が単独1位で交渉権を得ました。
契約金は推定で1億円プラス出来高払い5000万円、年俸は1300万円という条件で入団しました。
1998年(平成10年)公式戦では開幕から1軍に定着し、その年は14勝6敗の好成績を残しています。
セリーグの新人王に選ばれています。
その後は中日ドラゴンズのエースとして活躍しました。
2008年には途中、北京五輪の野球でも日本代表メンバー入りを果たしています。
この年のシーズン終了後、メジャーリーグへの挑戦をして翌2009年にはアトランタブレーブスと3年契約を結び、あこがれのメジャー入りを果たしました。
その後2012年1月28日には、古巣の中日ドラゴンズへの復帰が決まりました。
そして中日では2015年10月20日まで所属し、世代交代を進める球団の戦力構想から外れたことで、中日からの対談を表明しました。
それまで付けていた背番号11は、この年のドラフト会議1巡目指名である、小笠原慎之介選手に聞き継がれています。
2017年3月19日、現役を引退することを表明しました。
その年のプロ野球シーズンからはテレビやラジオのプロ野球解説者ということで、現在に至っています。
以上、ここまで川上憲伸の経歴とプロフィールをお伝えしました。
素晴らしい成績の数々で、今もその雄姿が目に焼き付いていますね。
成績と年棒の推移は?
改めてここまでの、川上憲伸の成績と年俸推移を見ていきたいと思います。
年度 / 登板 / 勝利 / 敗戦 / 勝率 / 防御率の順にお伝えします。
1998 / 26 / 14 / 6 / 0.700 / 2.57
1999 / 29 / 8 / 9 / 0.471 / 4.44
2000 / 14 / 2 / 3 / 0.400 / 4.77
2001 / 26 / 6 / 10 / 0.375 / 3.72
2002 / 27 / 12 / 6 / 0.667 / 2.35
2003 / 8 / 4 / 3 / 0.571 / 3.02
2004 / 27 / 17 / 7 / 0.708 / 3.32
2005 / 25 / 11 / 8 / 0.579 / 3.74
2006 / 29 / 17 / 7 / 0.708 / 2.51
2007 / 26 / 12 / 8 / 0.600 / 3.55
2008 / 20 / 9 / 5 / 0.643 / 2.30
以上、中日ドラゴンズ
2009 / 32 / 7 / 12 / 0.368 / 3.86
2010 / 18 / 1 / 10 / 0.091 / 5.15
以上、アトランタブレーブス
2012 / 7 / 3 / 1 / 0.750 / 2.83
2013 / 5 / 1 / 1 / 0.500 / 3.21
2014 / 6 / 1 / 2 / 0.333 / 4.78
以上、中日ドラゴンズ
NPBでのTotal成績(14年間)
275 / 117 / 76 / 0.606 / 3.24
MLBでのTotal成績(2年間)
50 / 8 / 22 / 0.267 / 4.32
以上のような成績を挙げています。
個人タイトル受賞は以下の通りです。
・最多勝利:2回 (2004年と2006年)
・最多奪三振:1回(2006年)
・最高勝率:(当時は連盟表彰がありませんでした):1回(2006年)セリーグでは1972年までと2013年以降表彰
表彰歴は以下の通りです。
・沢村栄治賞:1回(2004年)
・最優秀選手:1回(2004年)
・新人王:(1998年)
・ベストナイン:2回(投手部門で2004年と2006年)
・ゴールデングラブ賞:3回(投手部門で2004年と2006年と2007年)
・最優秀投手:2回(2004年と2006年)
以上のような素晴らしい成績を挙げています。
こうして見てきますと、川上憲伸という投手のすごさが改めて浮き彫りになった感じがしますね。
すごいピッチャーであり日本の誇りであるといっても、決して過言ではありません。
これからもプロ野球解説者としてだけでなく、いずれ近いうちには中日ドラゴンズのコーチや監督として、大いなる采配ぶりを見てみたいと思っています。
その日が来るまで面白いテレビプロ野球解説を、今後も続けて欲しいと願っています。
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